例のプールの正体とは?正式名称や場所・レンタル料金と現在の真実
天窓から差し込むやわらかな自然光、青く透き通るコンパクトな水面、そしてプールサイドに寄り添うように設計された白基調の階段。インターネットカルチャーに一度でも触れたことがある人ならば、特定の文脈を持ったこの景色に見覚えがあるはずです。ネット上で長年にわたり「例のプール」の愛称で語り継がれ、国内外を問わず数え切れないほどのミームを生み出してきたあの空間は、架空のセットでも都市伝説でもなく、東京都心の一角に実在しています。
しかし、ネット上の断片的な情報だけが独り歩きした結果、「個人の大富豪の豪邸ではないか」「一般人は立ち入れないアングラな空間なのではないか」といった誤解や臆測も少なくありません。本稿では、数多くのカルチャー取材を手掛けてきたデジタルメディア編集部が、運営会社への公式確認事項や利用規約、業界関係者の証言をもとに、その知られざる正体、具体的な所在地、2026年現在の利用実態に至るまで、客観的な事実に基づいて徹底的に解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「例のプール」の正式名称はNo.9 Hanazono Room。新宿御苑前駅から徒歩圏内のビル最上階に実在する正規のレンタルスタジオである。
- 要点2:スタジオの運営元はピースリーブスであり、規約を遵守すれば一般人のコスプレ撮影や各種制作でのレンタル利用が可能。
- 要点3:2026年現在も映画、ドラマ、MV、サブカルチャーの撮影拠点として第一線で稼働しており、水張りオプションや利用時間に応じた明確な料金体系が整備されている。
【ネットの謎を解明】「例のプール」の正式名称と新宿にある所在地の全貌
ネットユーザーの間で記号のように消費されてきたあの場所の正式名称は「No.9 Hanazono Room(ナンバーナイン 花園ルーム)」です。運営を手掛けているのは、都内を中心に数多くの特徴的なレンタルスタジオを展開している株式会社ピースリーブス。同社が展開する撮影用スタジオ群「P-studio(ピースタジオ)」のラインナップの一つとして、長年にわたり業界内で広く認知されています。
気になる所在地は、東京都新宿区新宿1丁目の閑静な一角。最寄り駅である東京メトロ丸ノ内線の新宿御苑前駅から徒歩わずか数分という、都心の一等地に佇むビルのペントハウス(最上階フロア)に位置しています。ビルの外観自体は都心によく見られる落ち着いたオフィス・商業ビルであり、通りを歩いているだけでは屋上にあの象徴的なプール付きスタジオが存在しているとは到底想像がつきません。
施設の特徴としては、ビルの9階と10階を贅沢に使ったメゾネット構造のハウススタジオ(新宿御苑前エリア)であり、約70平米を超える広々としたフロアに本物のプールが設置されています。ガラス張りの天窓からは一日を通して美しい自然光が差し込み、日中は開放的なリゾートホテルのような雰囲気を、夜間は都会のビル群の夜景を背景にしたムーディーな空間を演出できる点が、プロのクリエイターから絶賛される最大の理由です。

なぜこれほど定着したのか?「例のプール」の元ネタ・由来と社会的背景
このスタジオが「例のプール」として知れ渡るに至った元ネタと由来は、2000年代前半から中盤にかけての映像制作業界の現場事情に端を発します。当時、成人向けビデオ(AV)やグラビアアイドルのイメージビデオのロケ地として、このスタジオが爆発的な頻度で採用されました。かつての現場監督やカメラマンの証言によると、選ばれ続けた背景には明確な実利が存在していました。
「都心で水着や水回りの撮影を行う場合、屋外プールでは天候に左右され、冬場は撮影すらできません。さらに一般客の視線を完全に遮断できるプライベートプールを都内で確保するのは至難の業でした。新宿御苑前というアクセスの良さ、機材搬入のしやすさ、そして天候を問わず自然光が計算できる屋内温水プールという条件をすべて兼ね備えていたのが、No.9 Hanazono Roomだったのです」
こうして制作された無数の作品群が流通するなかで、2000年代後半に2ちゃんねる(現5ちゃんねる)やニコニコ動画などのネット掲示板・動画共有サイトのユーザーたちが「またこのプールか」「どの作品を見ても背景が同じだ」と指摘し始めました。やがて作品名を出さずとも「例のプール」と呼ぶだけで誰もが同じ構図を脳裏に思い浮かべるという、日本固有のインターネットミーム(共通言語)として強固に定着していったのです。
メディア社会学的な視点から見ても、この現象は極めて興味深い構造を持っています。フランスの哲学者ジャン・ボードリヤールが提唱した「シミュラークル(現実の指示対象を失った記号)」の概念のように、受け手にとって重要なのは「新宿にある実際の撮影スタジオ」という実体ではなく、「誰もが知っているあの文脈」という共通理解そのものになりました。現在ではパロディとしてテレビドラマ、アニメのワンシーン、メジャーアーティストのミュージックビデオ、さらにはゲームの背景に至るまで引用され、一種のポップカルチャーアイコンとして君臨しています。
【2026年最新】レンタル料金と予約方法の実態|一般利用・コスプレ撮影のハードル
「一般人でも借りられるのか?」という疑問に対する明確な答えは、「規約を守れば誰でも正規に一般利用が可能」です。かつては業界関係者専用のイメージが強かった同スタジオですが、現在は同人誌のグラビア撮影、本格的なコスプレ撮影、自主制作映画、さらには記念撮影やオフ会目的など、幅広い層に門戸が開かれています。
予約は運営会社であるピースリーブスの公式Webサイト上にある専用フォーム、または電話窓口から行います。空き状況の確認から仮予約、本予約、事前決済または当日決済という標準的なハウススタジオの利用フローが確立されています。ただし、完全予約制であり、事前の利用用途のヒアリングが行われるため、規約違反となる用途での利用は厳格に断られます。
利用を検討するにあたり、最も気になる料金体系とスペックを、都内の一般的な撮影スタジオの相場と比較して整理したデータが以下の通りです。
| 利用区分・項目 | No.9 Hanazono Room 詳細料金 | 都内ハウススタジオの一般的な相場 | 編集部の見解・コストパフォーマンス評価 |
|---|---|---|---|
| スチール撮影(静止画) | 1時間あたり 約16,500円〜22,000円(税込) ※最低利用時間3時間〜 | 1時間あたり 12,000円〜20,000円 | プール設備とペントハウスのロケーションを加味すると妥当。複数人のシェア撮影であれば一人あたりの負担は抑えられる。 |
| ムービー撮影(動画) | 1時間あたり 約22,000円〜27,500円(税込) ※最低利用時間3時間〜 | 1時間あたり 18,000円〜30,000円 | 商業MVやドラマ撮影で重宝される標準的価格設定。同録(同時録音)の際は周辺環境音の事前確認が推奨される。 |
| プール水張り・温水オプション | 水張り:約11,000円〜 / 温水:約22,000円前後(要事前予約) | プール付きスタジオ自体が希少(別途数万円が通例) | 水を張るだけで膨大な水道料金と排水・清掃コストが発生するため不可欠な経費。冬場の入水撮影には温水化が必須。 |
| スタジオ見学(ロケハン) | 原則30分〜1時間程度・有料(本予約成立時に一部還元される場合あり) | 無料〜5,000円程度(スタジオによる) | 冷やかしや観光目的の見学を防ぐための適正措置。本気で撮影計画を練るクリエイター向けに運用されている。 |

噂の真偽を徹底検証|ネットの誤解と現場目線で見えたリアル
ネットカルチャーの象徴となった場所であるからこそ、現地を訪れたことがない人々による都市伝説や誤認が数多く蔓延しています。取材に基づき、代表的な3つの誤解の真偽を検証します。
誤解1:「一般人が見学目的でふらっと立ち寄れる観光地である」
これは完全な誤解です。ビルは他のテナントや一般企業も入居する複合商業ビルであり、スタジオ自体も完全なプライベート貸切空間です。看板を掲げて観光客を受け入れているわけではなく、アポイントなしの訪問やビル共用部への立ち入りは不法侵入に問われるリスクがあります。スタジオの見学を希望する場合は、必ず撮影を前提とした正式な「ロケハン申請」を行わなければなりません。
誤解2:「プールは常に水が張られていて、飛び込んで泳ぐことができる」
映像作品で見かける満々と水を湛えたプールは、利用者のリクエストに応じて事前に準備された状態です。通常時は安全管理および衛生維持の観点から水が抜かれているか、最低限の水位に管理されています。また、このプールはあくまで「撮影用」に設計された水深約1メートル前後の浅い造りであり、競泳用プールのようにダイビングや本格的な遊泳を行う設備ではありません。飛び込みによる破損や事故は厳禁とされています。
誤解3:「公序良俗に反する行為が野放しになっている」
過去の出演作品のイメージから無秩序な空間を想像する人がいますが、現場の実態は極めて厳格に統制されています。ビルの利用規約および東京都の各種条例に則り、近隣住民や他フロアへの騒音・振動対策、エレベーターなどの共用部での露出制限、ゴミの完全撤収など、運営側による徹底した管理のもとでクリーンに運営されています。
【実態検証】利用者の生の声と2026年現在の稼働状況
開設から長い年月を経た現在、スタジオはどのようなコンディションを保ち、どのように利用されているのでしょうか。実際に近年利用したコスプレイヤーや自主映画制作スタッフの声を検証すると、現場のリアルな質感が見えてきます。
「SNSで何度も見ていた光景そのものが目の前に現れたときは純粋に感動しました。ただ、写真の広角レンズで見るよりも、実際のプール自体はコンパクトで親密感のあるサイズ感です。水面の反射が天井の白い壁に揺らめく様子は、CGでは再現できない本物の光の美しさがあります」(20代・コスプレサークル代表の手記より)
「歴史のあるスタジオなので、設備やタイルの端々に年季を感じる部分は確かにあります。しかし、スタッフの清掃やメンテナンスが行き届いており、古き良き平成レトロな高級リゾートの質感が絶妙に残っている。現在、生成AIやバーチャル背景が普及していますが、水に濡れた肌の質感や本物の光の乱反射を撮るには、やはりこの実在する物理空間に勝るものはありません」(30代・映像ディレクター)
2026年現在もスタジオの稼働率は高く、週末を中心に予約が埋まる状況が続いています。海外のサブカルチャーファンコミュニティでも「That Pool(あのプール)」として広く認知されており、国境を越えたクリエイターたちが来日時にプロモーションビデオやアートフォトの撮影地として指定する事例も増えています。

【プロの結論】スタジオ利用で後悔しないための判断基準と向き・不向き
No.9 Hanazono Roomは、間違いなく日本のインターネット史に刻まれる特別な場所です。しかし、レンタルスタジオとしての利用には決して安くない費用と準備が発生します。実際に予約を入れる前に、ご自身の利用目的が合致しているかを冷静に見極める必要があります。
おすすめできる人の条件
- 明確な創作・撮影ビジョンを持っているクリエイター:自然光の計算や水を使ったライティングなど、スタジオ固有の強みを活かした作品撮りを行いたい方。
- 作品の世界観を忠実に再現したいコスプレイヤー:プールサイドや階段というシチュエーションを必要とするキャラクターの本格的な撮影を希望する方。
- 参加人数を集めてコストを分散できるグループ:5〜10名程度で割り勘を行えば、1人あたり数千円から1万円強の負担で伝説の空間を体験できます。
- 利用規約や時間厳守を徹底できる責任感のある方:原状復帰やビルのマナーを重んじる大人の振る舞いができるチーム。
慎重になるべき・おすすめできない人の条件
- 単なる「水遊び」や一般的なオフ会・パーティー目的の人:遊泳施設ではないため、騒いだり水を周囲に激しく飛び散らせる用途には向いていません。
- 少人数かつ低予算で手軽に記念撮影をしたい人:最低利用時間(3時間〜)や水張りオプションを含めると最低でも6万〜8万円以上の出費となるため、予算が見合わない可能性があります。
- 完全な最新鋭・新品同様のピカピカな設備を求める人:数々の歴史を刻んできたスタジオであるため、ヴィンテージ特有の風合いを受け入れられない方には不向きです。
【例のプール】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:一般の個人でもスタジオをレンタルすることは可能ですか?
A1:はい、可能です。プロの映像制作会社だけでなく、個人のコスプレイヤーや同人サークル、写真愛好家でも公式Webサイトから正規の手続きを踏めば問題なく予約・利用できます。
Q2:プールに入る場合、水着の着用は必須ですか?
A2:原則として撮影に適した衣装(水着やコスプレ衣装など)の着用が求められます。また、衛生管理の観点から、塗料や落ちやすいメイク、オイル類を塗った状態での入水は制限されているため、事前の規約確認が欠かせません。
Q3:温水プールにして入ることはできますか?
A3:可能です。ただし、通常の水張り料金に加えて「温水オプション料金」が別途発生します。また、大量の水を適温まで温めるには数時間の準備が必要となるため、必ず事前予約時に温水希望の旨を伝えておく必要があります。
Q4:スタジオの場所へ直接行って外観だけ見学することはできますか?
A4:おすすめできません。スタジオは一般の雑居ビル内にあり、共用部での長時間の滞留や写真撮影は他の入居テナントへの迷惑となります。見学を希望する場合は、必ず事前にロケハン予約を申し込んでください。
まとめ:記号を超えて愛され続ける伝説の空間と向き合うために
「例のプール」という匿名的な愛称でネットの海を漂い続けてきたNo.9 Hanazono Room。その実態は、新宿御苑前という都市の中心で、数々の映像制作者の過酷な撮影要求に応え続けてきた極めてプロフェッショナルな撮影空間でした。
単なるネットの笑い話やミームとして消費する段階を終え、現在では日本のサブカルチャーや映像産業の足跡を物語る貴重な「生きたロケーション」として再評価されています。もしあなたがこの特別な空間でシャッターを切りたいと願うなら、その歴史と空間への敬意を忘れず、正しいマナーと計画性を持って予約の扉を叩いてみてください。画面の向こう側にあったあの光と水面のきらめきは、今も変わらずそこに息づいています。 (出典: 例 の プール(Yahoo!ニュース))